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地形学の視線で見たこと,感じたこと


by kumakuma1103

「武蔵野を歩く」を読む

中途半端な時間に
起きてしまいました。

夕方,学会会場近くの図書館に
立ち寄ってみました。

読んだのは,
「武蔵野を歩く」(海野 弘著)。

この人のものは初めて読んでみましたが
目の付け所が面白いと思いました。

さて,書きたいのは,
仙川周辺を歩いた時の様子を描いたこの箇所。
少し長いですが,下に引用。

「まず東のほうへ入っていくと,小さな丘があり,
その上に,糟嶺神社と明照院がある。
調布七福神の一つで弁財天を祀っている。
明照院には大きな仏足石があったので,
ウォーキング記念に写真を撮った。
 バス通りにでる。このあたりはかなり開けているのに,
びっくりするような屋敷林や竹林が茂っていて,
複雑な地形をなしている。
 おそらく古い地主がまだいるのだろう。
その林の中に,廃墟になった幼稚園が見えた。
 バス通りから西へ入り,
大坂という森の中の坂道を上って行く。」


最後の一文の「大坂」とは,
立川段丘面から武蔵段丘面に上る段丘崖のこと。
となると,最初の文の「小さな丘」とは
立川段丘面上にあることになる。
結論から言えば,古墳。
しかも前方後円墳。
糟嶺神社は円墳,
明照院は方墳の上にあります。

なぜわかるか。
幼少期にこの神社に僕が住んでいたから。

廃墟になった幼稚園とは,
そう僕が通った幼稚園のことに
間違いありません。

近くに武者小路実篤の旧宅が公園として残っています。
この本によると,
実篤は,終の棲家の立地条件として
水があること,
古い土器がでること,
土筆がはいていることを挙げているとのこと。

段丘崖からの湧水,
前方後円墳が近くにある
この地は彼の眼鏡にかなったのだなと
思いました。


おしまい。


今日は夕方
羽村のまいまいず井戸へ行ってきたので
明日にでもアップします。
by kumakuma1103 | 2012-03-30 03:14 | 雑記