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地形学の視線で見たこと,感じたこと


by kumakuma1103

連載その3【中山道が通る河川の流域】

昨日の授業の地図作業も
基本的にはちゃんとできていたようです。
ただ、明瞭な傾斜変換線を横切っていないので、
等高線の粗密で傾斜を表現することがまだ理解していないかもしれません。
深谷断層のところでまた地形断面をやろうと思います。

さて、連載の続き。
連載その3【中山道が通る河川の流域】_d0179225_17371554.jpg

2回目につづいてこの断面図の説明。
現県名の下にある河川名は、
その区間ではそれぞれの川の流域を示しています。
と書いていて、この図の大きなミスに気づきました。

荒川がないじゃん。
熊谷のあたりで流域を変えないといけません。
今日大学へ行くので修正版を用意します。

修正版に入れ替えました.
ついでに中央分水界の位置も入れておきました.

まあそれはおいておいて。
中山道を歩くと、荒川、利根川、千曲川、天竜川、
犀川、木曽川、長良川、揖斐川、淀川(琵琶湖)の流域を歩きます。
千曲川と犀川は長野盆地で合流して一本になり、
新潟県では信濃川になります。
この千曲川と犀川だけが日本海へ注ぎます。
残りの川はすべて太平洋側へ注ぐことになります。


なので、千曲川と利根川の流域の間にある碓氷峠、
千曲川と天竜川の流域の間にある和田峠、
天竜川と犀川の流域の間にある塩尻峠、
犀川と木曽川の流域の間にある鳥居峠は、
太平洋側と日本海側へながれる河川の境界にあたり、
中央分水界と呼ばれています。
これをみると、中山道沿いの4つの中央分水界は、
中山道の峠としても標高が高い峠になっていますね。
ちなみに中央分水界は「泣き別れ」とも呼ばれています。

下の写真は,旧中山道沿いの碓氷峠にある中央分水界.
連載その3【中山道が通る河川の流域】_d0179225_17393514.jpg


ここでおしっこをすると,
石を境に左だと日本海へ、
右だと太平洋に
分かれて流れてしまいます.
例えが悪くてすみません.
分水界上にある石の周りが濡れているのは
もちろん今の話と全く関係ありません.


濃尾平野に注ぐ木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)の流域も通過します。
長良川と揖斐川の流域の境は,
時代によって変わるので斜線で表現しています。
濃尾平野は木曽三川が流入し水害が多いところです。
水害から家屋・田畑を守るために「輪中」という堤防を設置しています。
いつのことになるかわかりませんが、
それについても解説できたらと思います。
3年前大学院生のK君と大垣輪中を
自転車で廻ったことを思い出しました。



琵琶湖も、瀬田川・宇治川・淀川と
最後には大阪湾に注ぐので、淀川と表現しています。

次回は中山道の高度変化について
書こうと思います。

4月29日夕方改変
by kumakuma1103 | 2011-04-29 05:34 | 中山道