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地形学の視線で見たこと,感じたこと


by kumakuma1103

荒牧キャンパスの地形

僕が群大に赴任してきたときは,
ちょうど自分の研究室がある教育学部A棟が改修工事.
その後,毎年異なる建物が改修工事になっていました.
今年度後期は,講義棟や事務棟,玄関前ロータリーがその工事の対象となっています.教育学部に正面玄関から入られた方はわかると思いますが,突き当たりにある教育学部正門と図書館の高さは1.5m程度の高低差があり,教育学部側が高くなっています.
荒牧キャンパスの地形_d0179225_17553662.jpg
(2010年10月7日高高度撮影装置にて下にはちりちり君)

この高さは,教育学部の権威を表現するために,
人工的に高くしたものです.



って,目的,理由ともうそです.
この高度差は,
荒牧キャンパス全体が昔の利根川
(江戸時代まで?)であり,
ちょうど教育学部建物が
網状流の砂堆上にあるからです.

荒牧キャンパスの地形_d0179225_17305518.jpg

で,ちょうど改修工事の時,
研究室から覗くと,
ショベルカーでロータリーの中央部を掘っていて,
この砂堆の堆積物が見えていたので,
この露頭を見せてもらうことにしました.
(もちろんヘルメットをかぶっていますよ)


露頭の写真.
工事中だったのを無理に止めてみせてもらったので,
あまり細かく見ていませんが,
天明泥流堆積物はなかったです.
緑色のフィールドノートのところが
炭が混じる細粒な砂層でした.
荒牧キャンパスの地形_d0179225_1731592.jpg

ここで火事があったのだと思います.
砂層中には火山灰はなし.
それより下は礫層.


天明泥流堆積層は,
大学の北国体道路脇で見られます.
荒牧キャンパスの地形_d0179225_17312821.jpg

昔は上毛大橋の下で見られたのですが,
土地区画整理で削られてしまいました.


荒牧キャンパスの地形_d0179225_17311573.jpg
細粒なシルト,粘土層中に黒色の亜角礫(溶岩が固結したもの)が含まれる地層.


荒牧キャンパスの地形_d0179225_1751938.jpg

以前,2008年10月09日に撮影した図書館下の露頭.
ここは旧河道の地形で,細粒な砂層がなく,地表直下に礫層.
by kumakuma1103 | 2011-02-02 17:34 | 群馬の地理・温泉