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地形学の視線で見たこと,感じたこと


by kumakuma1103

佐野・根小屋巡検その4

根小屋駅の先にある金井沢.
土石流の危険渓流に指定されています.
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この谷の奥にある金井沢碑には,
W君の調査の際にいっています(こちら).



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手前は烏川の氾濫原.正面奥にみえる小高いものが天井川.



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天井川の上から撮影.

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ここでは川を登って越えました.


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さて,天井川とは何か.
天井川とは,一般的な川が周囲よりも低いのに対して,
周囲よりも高くなっている川をいいます.

なぜ,そうなるのか? 

河川が運んだ砂礫が人工的な堤防の間に堆積し河床が周囲よりも高くなってしまったためです.


天井川が生じる原因を適当に考えてみました.
また勉強したら更新しますので許して下さい.
1)砂礫を供給する河川が急流で土砂の堆積が多いこと.
2)さほど大きな河川でなく,堤防で洪水がある程度防げること.
3)堆積する場所が平坦であり,浸食が少ないこと.

砂礫を運ぶ河川の条件と,堆積場の条件が揃わないとできませんが,
もうひとつ人的な影響を見逃せません.

それは,平坦な堆積場(ここでは烏川右岸)で農業がしたいので,
河道を固定するため堤防を築いたことが,
天井川ができる大きな原因だからです.
そうでなければ,川は扇状に広がって,
扇状地をつくると思います.


別の観点からいうと,
ここでは,深谷断層の断層運動によって,
もともと鏑川の扇状地だった地形が隆起して
岩野谷丘陵ができています.
そのため,丘陵を浸食する小さな河川なのに,
大雨が降れば,
扇状地であった当時の大きな礫が流れてきます.
農業をする身からすれば,
田畑に大きな礫は,かなり迷惑な存在です.
なので河道を固定するため
堤防をつくったのだと思います.

「天井川の地形」って全国的に調べれば
共通する自然条件,社会条件がありそうですね.


さて,巡検に戻ります.
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高崎商科大学.



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烏川にかかる一本松橋の上から根小屋方面を.これで再び佐野へ戻ります.


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メダカ専門店.広島ではあまり見たことがありませんが,群馬では店頭にたまに売っているのをみます.そういえば,鼻高の花迷路脇にもメダカ専門店をみたことがあります.メダカを飼うのが文化なのでしょうか?

次は再び佐野の話.
by kumakuma1103 | 2011-01-23 21:20 | 群馬の地理・温泉