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地形学の視線で見たこと,感じたこと


by kumakuma1103

ブータン日記30

朝の5時過ぎ。
昨夜は疲れて寝てしまったので、
今からパッキング。これがめんどうです。
おそらくこれがブータン最後の投稿だと思います。

昨日の食事会で、
JI●A所長のNさんから、
ブータンと国交を結んでいるのは、20数カ国ぐらいで、
また安保理常任理事国とはどことも国交を結んでいないことを
伺いました。
これはひとえにインドの影響が大きいようです。
まあ日本は、インドにとって人畜無害な存在なので、
いろいろ支援活動できているのではないでしょうか。
あとは、さる高貴な方からDGMに対して、
一つの依頼があったことをKさんから伺いました。
DGMはそれでバタバタしているとのこと。
依頼とは、その方の自宅の水まわりのことに関する質問で。
「自宅」って書いていて自分でおかしくなりました。
間違ってはいませんけど。
もう1週間その依頼が早ければ、
僕もその自宅へいけたかも。
かなり残念でした。

さて、今回の調査の総括を。
1.ブータンヒマラヤ南縁に沿って活断層が稠密に分布していること。
2.その分布パターンは、ネパールヒマラヤとはかなり異なっていて、
ブータンでは、やや広い範囲に山地に平行する複数の並走する断層が分布していること。
(一方、ネパールでは、MBTやシワリク丘陵前縁など限られた狭い範囲で断層が分布している)。
3.これら山地に平行する断層群は、垂直的な変位が主で、おそらく逆断層とみられること
4.いくつかの断層は山地に対して斜行するものがいて横ずれ変位を示すこと。
5.断層分布パターンの違いは、下盤側にあたるガンジス平原の構造の違いによる可能性があること。

ブータンで今後やるべき仕事。
1.より北の範囲の写真判読をして、ブータン活断層図を完成させること。
2.写真判読だけで断層がわかるのかという、ブータン人の疑問を払拭させるため、
フィールドにでて断層を確かめること。

この調査、いままでで一番快適な海外調査でした。
至れり尽くせりで、やるべき仕事に集中することができました。
科研でいくアウトローな調査とは全く違ってました。
まあ、JI●Aからの派遣ということもあるのですが、
それだけでなく、こちらの意図を十分に理解してくれて、
それに対して細やかな配慮ができる方が近くにいるからだと思います。
Kさん(とご家族)、Yさん、本当にお世話になりました。
(Yさんにはブログのアドレスを伝えていないのですが...)

次は、日本から
もしくはバンコクの空港からのアップです。
by kumakuma1103 | 2010-08-31 08:42 | ヒマラヤ