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地形学の視線で見たこと,感じたこと


by kumakuma1103

写真判読

3時間ぐらい三陸海岸沿いの
空中写真をみています.

空中写真を使って,
津浪の遡上範囲を正確に決めています.
通常ならあり得ないところに
がれきが集積しているところなどを探しては,
マッピングする作業です.

写真をみていると,
山岳氷河のターミナルモレーンの地形を想起します.
モレーンとは,氷河によって運ばれてきた石ころが
氷河が融けるところに堆積してできる砂礫からなる細長い丘のことを指します.
そのモレーンの一種に,ターミナルモレーンというものがあり,
それは,氷河の末端にできる谷を横切った形の砂礫層の丘です.
つまり,過去にここまで氷河があったという地形的な証拠になるのです.

今回,津浪が押し寄せたところまで,津浪で破壊された物が運ばれ,
その後それらが取り残された形状は,
このターミナルモレーンに近いです.
すなわち,がれきの集積している範囲が,
津浪の遡上範囲にあたるという地形?的な証拠といえると思います.

港周辺の集落を判読していると,
津浪の恐ろしさを冷徹に記録していて,
愕然とする気分になります.

自分ができることを粛々とやるしかありません.
by kumakuma1103 | 2011-04-13 23:35 | 雑記